あなたのためのCIDP治療サポート

CIDP治療を支える医療者を知ろう

CIDP(慢性炎症性脱髄性多発根神経炎)の治療は、慣れないことが多かったり、知らないことが次々出てきたりといったことが多くあるかもしれません。
この記事では、あなたの治療を支える医療者の役割を知り、どういうときに誰に助けを求めればよいかをまとめています。
ここで改めて思い出していただきたいことは、CIDPの管理は患者さんごとに異なっており、これをやっておけば全員大丈夫という方法はないということです。
あなたに最適な治療を見つけるまでには多少時間がかかるかもしれませんが、病院には力を貸してくれる人がたくさんいます。脳神経内科医から理学療法士、看護師に至るまで、治療に携わってくれる医療者はさまざまですが、あなたに最適な治療を行うためには、あなた自身の要望を具体的に考え、しっかり伝えることが重要です。

要望を伝える

ご自身の要望を医療者に伝えるにあたっては、セルフ・アドボカシーが重要な役割を果たします。
セルフ・アドボカシーは日本語では「自己権利擁護」と訳され、『困難のある人自身が自分の利益や欲求、権利を主張すること』という意味です。
あなたが思っていることを具体的に、効果的に伝えることができれば、治療はあなたにとってだけでなく、治療する側にとってもより安心な、有効な治療が可能になります。例えば、毎日の症状の様子や飲んだ薬を記録する治療日誌は体調を医療者に伝える際に役立つだけでなく、あなたがどんなことに困っているのか、どのくらい改善したいのかを具体的に伝える手助けとなります。

自分の体を守るためにも、病気のことをよく知りましょう。
いま現れている症状がCIDPによるものなのか、あるいは別の原因があるものなのかを知っておくことが大切です。

-ケリー・G・グワスミー(医師)
脳神経内科医

脳神経の専門医であるDr.ケリー・G・グワスミーは、CIDP患者さんに医師からできるだけ多くの知識を得ることを勧めています。「自分の体を守るためにも、病気のことをよく知りましょう。いま現れている症状がCIDPによるものなのか、あるいは別の原因があるものかを知っておくことが大切です。また、医療者とコミュニケーションをとりやすくなる点も重要です」
Dr.グワスミーはこのほか、治療を受ける前と受けた後を含め、治療日誌をつけて症状を記録しておくことを勧めています。治療日誌は医療者と病気や治療について話し合うときに役立ちますし、治療計画をどう進めるかを判断するための情報源になります。

CIDP治療の中心は脳神経内科医

Neuromuscular_Illustration

脳神経内科医は、神経系の病気の診断や治療を行います。CIDP治療の中心は脳神経内科医であることが多いでしょう。症状を見極め、治療の進捗や反応の経過観察を行います。

もしあなたが何を基準に脳神経内科医を探せばよいかわからない場合は、通院のしやすさ(通院時間が長いと受診が難しくなったり、疲労の原因になります)を考えたり、その施設でCIDPの治療経験があるかどうかといった点を確認してもよいでしょう。

CIDP治療を支える専門家たち

医師との信頼関係が築かれることで、あなたのCIDP治療を支える環境がさらに万全なものになります。あなたの具体的な要望を聞いた医師が、必要に応じて薬やリハビリを選択・変更したり、他施設を紹介してくれるケースもあるでしょう。

CIDP治療のとき助けになってくれるさまざまな専門家をご紹介します。

InfusionNurse_Illustration

看護師

看護師は多くの場合、医師と連携して働きます。医師に直接言いにくいことがあったら、看護師を通じて伝えてみてもいいかもしれません。

PT_OT_Illustration

理学療法士(PT)・作業療法士(OT)

理学療法士(PT)と作業療法士(OT)はどちらもリハビリを指導する専門家です。似ている点もありますが、通常作業療法士は日常生活に必要な動作の回復を目指し、理学療法士は身体の動きを重点にした指導を行うなど、それぞれ目的の異なる支援を行います。

MentalHealth_Illustration

メンタルヘルス専門家

心療内科など、メンタルヘルスの専門家も頼もしい味方になります。CIDP診断を受けた後の感情のコントロールは患者にも患者をサポートしている方にも難しいことも少なくありません。そんなときに、メンタルヘルスの専門家がサポートしてくれる場合があります。

あなたやご家族に抑うつの兆候が見られる場合は、できるだけ早くメンタルヘルス専門家に相談することが重要です。「調子がよくないな」と思ったら、早めに主治医や看護師に相談しましょう。

CIDPの診断を受けた後に気持ちの整理がつかないときは、CIDPの患者団体も頼れる味方です。 日本には「全国CIDPサポートグループ」などがありますので、参加してみるのもよいでしょう。他の患者さんや患者をサポートしている人たちからアドバイスを得ることもできるかもしれません。

JP-VDJMG-24-00087(2024年10月作成)

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